
2018年2月に、にじさんじ1期生としてデビューした鈴谷アキさん。
今や100人以上のライバーが所属するバーチャルライバーグループ・にじさんじですが、その歴史は1期生としてデビューした8人から始まりました。そんな伝説のメンバーのひとりである鈴谷アキさんは「男の娘」ライバーとして鮮烈にデビューし、持ち前の可愛さとやさしさで、にじさんじの歴史を積み上げてきました。
そんな鈴谷さんを始めとした、一期生出身メンバー全員による特別なライブイベント『initial step in NIJISANJI』が、2021年10月31日(日)に開催されます。このイベントにて、鈴谷さんは3Dの姿を初披露するということで、ファンのみなさんから期待を集めています。
今回のロングインタビューでは、そんな『initial step in NIJISANJI』を中心に、同期をはじめとしたにじさんじメンバーたちとの「絆」や、鈴谷さんを語る上では欠かすことのできない「歌」についてなどさまざまなことにスポットを当て、さらなる飛躍を遂げる鈴谷さんの魅力を余すところなくお伝えします。
とにかく楽しく、エモーショナルなイベントに
――さっそくですが『initial step in NIJISANJI』は、どのようなライブイベントになるのでしょうか?
鈴谷アキさん(以下敬称略):歌はもちろんトークのパートがあったり、楽しくてエモいライブになると思っています。にじさんじ1期生としてデビューした8人が揃ってライブができるということで、ボク自身やリスナーの皆さんも感動しちゃうんじゃないかなぁ。
――イベントの開催が決まったときは、どのようなお気持ちでしたか?
鈴谷:いやぁ、信じられなかったですね。まだボク自身が3Dの身体を持っていなくて、お披露目もまだまだ先だと思っていたんですよ。とにかく、ファーストインパクトはびっくりしました。決定した最初の頃は不安の方が大きかったんですけど、ステージができていくにつれて楽しみのほうが上回りましたね。本番が楽しみのピークになるといいなと思っています。
――ライブの練習などは、もうすでにされているのでしょうか?
鈴谷:練習自体はこれからで、歌う曲はすでに決まっている感じです。歌う組み合わせもちょっと特殊なものだったり、わかる人にはわかるものを準備しているので、人によっては大きなご褒美になるかもしれないです……!
――それは期待値が上がりますね。ちなみに、ライブで歌唱する曲はどのようにして決定したのですか?
鈴谷:チャットでみんなと話し合いながら決めていきましたね。とりあえずみんなで歌いたい曲を提出するっていう感じで。今回は、はっちゃけているような曲も多いです(笑)。
――歌唱する曲以外にも、ご自身やメンバーなどの意見が取り入れた部分などはありますか?
鈴谷:最初はトーク&ライブイベントで、話す時間と歌の時間が1対1くらいの感じだったんです。でもボクも含めたみんなの意見として、トークより歌を優先したいということで、歌唱パートの時間が長くなっています。
――イベントに合わせて、3Dのお姿が初発表になると思いますが、今から準備していることなどはありますか?
鈴谷:ボクは体力が全然ないので、最近おしゃれなトランポリンみたいなものを買ったんですよ。丸い、これぞトランポリン! というやつではなくて、クッションの硬い版みたいなやつなんですけど、それでポヨンポヨンしてます。それと、まだ修行が足りなくて出せないんですけど、アキニウム光線のポーズを頑張っていますね。
▲全人類のハートを撃ち抜く、アキニウム光線。
――それは、何人かライブで倒れてしまう人が出てくるのでは……。
鈴谷:そうかもしれないですね(笑)。リスナーさんには耐えられるように準備していただいて。
――今後、3Dのお姿でやってみたいことなどはありますか?
鈴谷:お披露目の配信があるんですけど、そこでみなさんに「掃除機をかけてほしい」と言われています。ボクが掃除機をかけるのが凄く苦手なんですよ、コードが絡まったりするので。その様子を見たいらしいので、頑張りたいですね(笑)。
――前代未聞のお披露目配信になりそうですね。
鈴谷:あとはやっぱり、アキニウム光戦が出せたらいいですよね。それについては運営さんにも相談済みなので、多分実装されるんじゃないかなと思います。ちなみに、つい昨日3Dの身体に始めてなってきたんですよ。なんか不思議な感じで、ずっと「すごい、すごい」って言っていました(笑)。
――あまり運動は得意ではないということでしたが、動けそうでしたか?
鈴谷:動きやすいなとは思いました。そりゃ、みんなお披露目配信でブリッジとかするわっていうレベルで。ただ、運動は相変わらず苦手なので、みなさんには無理のない程度に無茶ぶりしていただけると嬉しいです。
イベント記念アルバム『1 ∞ color』とは
――イベントに合わせて発表されたアルバムについて、表題曲の「1 ∞ color」はどのような曲になっているのでしょうか。
鈴谷:この曲には、みんなの色々な気持ちが詰まっていると思います。楓お姉ちゃんが主導で動いていただいていたんですが、それも本当に心強かったですね。一部、楓お姉ちゃんとモイラ様が歌詞を担当した部分もあるので、そこにも注目して聞いていただけたらなと思います。
――収録に関しては、どのようなお気持ちで臨まれましたか?
鈴谷:収録は楽しかったですねぇ。ディレクターさんがちゃんといるような、立派なブースに入ったことが初めてで、最初はわからないことだらけだったんですけど、歌った後にディレクターさんに「いいよー!」「うまいねー!」と言っていただけたので、凄い気持ちよく収録することができました。
――収録時には、他の1期生出身メンバーとも会えたのでしょうか?
鈴谷:誰かが録音して次に違う人が入って録るという流れだったんですけど、ボクの順番の前がモイラ様で。ちょっと会うことができたんですけど、その時も「頑張ってね~!」みたいな感じで応援してもらえました。僕が録り終わって出てきたら、凛お姉ちゃんが座って待っていたりとかして。みんなに会えてうれしかったですね。
――アルバムでは、モイラ様と一緒に『輪舞-revolution』をカバーされるとのことですが、どのようなことを意識して収録に挑んだのでしょうか?
鈴谷:まず、この曲を選んだのがモイラ様で。曲の最後に「世界を変える」という歌詞があるんですけど、そこをどうしても「アキちゃんに歌ってほしいのだわ!」って言われました(笑)。夢女子としてそこは絶対に譲れないという感じで……。ボクはよくわからないままだったんですけど、そこを意識して頑張って歌いました。
▲モイラ様とのコラボ。
――なるほど。では、歌詞割りも自分たちで決めていった感じなのですね。
鈴谷:歌詞割りは基本的にボクが考えたんですけど、「そこだけは譲れないの!」と言われたので(笑)。あとは、コーラスが多い曲だったので、ディレクターさんたちと協力しながら頑張って録りましたね。
一緒に歴史を紡いできた、にじさんじの仲間たち
――1期生出身のみなさんのなかでも、特に親交が深いのは勇気ちひろさんかと存じます。鈴谷さんにとって勇気さんは、どのような存在になっているのでしょうか?
鈴谷:ちーちゃんは、人一倍頑張り屋さんかつ繊細なんですけど、すごく仲間思いなので、僕が何かあったりしたら1番最初に連絡をくれる方ですね。ボクのチャンネルの収益化がまだ通っていなかったときに、『まほすずラジオ』という番組を立ち上げて助けてくれたり、チャンネル登録者数がなかなか10万人に届かないときも、そばにいてくれたり。とても大きな存在で、頭が上がらないですね。
▲『まほすずラジオ』は現在、新パーソナリティとしてモイラ様が加わり『モイっと!まほすずラジオ』として放送中。
――1番最初に会った時と比べて、変わった部分はありますか?
鈴谷:最初は、ちーちゃんも清楚だったんですよ(笑)。今では「けつあらってまってろ!」と言うキャラになってしまったので……。でも、今の方が好きですね。
――仲良くなった秘訣みたいなものがあったのでしょうか?
鈴谷:秘訣というよりは、最初から波長があったという感じでした。ありますよね、最初からこの人とは合うなぁみたいな。それがバチッと噛み合ったので、配信の内容とかは違っても、すごく仲良くなれましたね。
――そんな勇気さんも含めた1期生出身のみなさんは、鈴谷さんにとってどのような存在になっていますか?
鈴谷:みんなで集まって焼肉に行くことがよくあるんですけど、会っても緊張はしないですね。逆に安心するような仲だと思います。最初のころはやっぱりそこまで深い関係ではなかったですけど、4年という長い付き合いで変わった部分ですね。
――ちなみに1期生出身のメンバーのなかで、みんなを引っ張っている方は誰でしょうか?
鈴谷:やっぱり楓お姉ちゃんですね。連絡が遅くなった人に呼び掛けたりとか、すごくしっかりしているなといつも思います。逆に、全然連絡しないのはちーちゃんですね(笑)。で、楓お姉ちゃんに怒られると。でろちーはすごくいい関係だと思いますよ。
▲1期生出身のメンバーによる『Mr.Music』。
――他にも、にじさんじのメンバーのなかで、気になっている方がいらっしゃればお教えください。
鈴谷:緑仙くんの歌配信とか雑談が好きで、気づいたときに見に行ったりしますね。『ねないこ』という名前で一緒に歌ってみたを出したり、たまに配信したりもしています。「ふたりで地下アイドルっぽいことしようよ」って誘われて。「なんだそれ?」って思いながら参加しました(笑)。
▲ねないこのふたりによる、『チャイナアドバイス』。
――歌ってみたの企画は、どちらから提案するのですか?
鈴谷:基本的には緑仙くんからなんですけど、選曲はお互いからですね。それぞれのチャンネルで、ひとつずつ交互に出しているんですが、自分のチャンネルで出すものは、自分で選曲している感じです。
――デビューが近い2期生出身の方々とは、距離感もまた近かったりするのでしょうか?
鈴谷:緑仙くんが入ってくる前くらいに、1、2期生で親睦会みたいなものをやったんですよ。その時に、距離が縮まった感じがしました。
――2期生出身ライバーさんには、鈴谷さんとも関りのある剣持さんがいらっしゃいますが、普段連絡を取ることはあるのでしょうか?
鈴谷:あまりしないというか、なぜか向こうから来ないです。多少はあったりするんですが……返信に長文が多くて、1で送信したら10で返ってくるみたいな感じなんです(笑)。会話が怖いんですかねぇ。
――そんな剣持さんへ、一言メッセージをお願いします。
鈴谷:じゃあ一言だけ。「連絡ありがとう」と言っておきます。
▲鈴谷さん、剣持さんによる『flos』。
鈴谷さんを構成する「歌」とは
――鈴谷さんは、歌への思い入れが強いと伺っているのですが、好きになった経緯があればお教えいただければと思います。
鈴谷:小学生の頃、音楽の授業で歌をひとりずつ歌うっていうテストがあって。そのころのボクは、人前に出たり、そこで声を出すことがとっても嫌いだったんですよ。でもいざ歌ってみたら、先生が「かわいい声ね、将来声優さんになったら?」みたいなことを言ってくれて。そのときに歌に興味が沸いたんですが、うちの祖父がとっても厳しい方で、家で歌を歌えるような状況ではなかったんですね。そんな環境からようやく歌えるようになったときに「歌うのって凄く楽しいんだな」と、すごく感動したのを覚えています。
――これまで数々の歌ってみた動画をアップしていると存じますが、その中でも印象的な歌ってみた動画はありますか?
鈴谷:やっぱり「黒猫」という曲です。とある配信の開始直後に、ボクがこの曲を歌いだしたこともあって、リスナーさんもびっくりしたと思います。歌詞がリスナーさんやボクに重なっている感じで、絶対に歌ってみたを出したいなと思っていた曲でした。
▲鈴谷さんによる『黒猫』。
▲開始時に黒猫を歌った配信。
――歌唱の際に、普段意識されていることなどはありますか?
鈴谷:やっぱり、感情を乗せることが大事だと思っているので、それを第一に。あとは、高い声を出す曲を歌うことが多いので、なるべく綺麗に出せるように頑張っています。
――今ハマっている楽曲やアーティストなどがあれば、教えてください。
鈴谷:YOASOBIさんです! 出てきたときからずっと好きで、最新曲の「大正浪漫」にハマってますね。ボカロPさんだと、はるまきごはんさんが好きで、自分でも歌える機会があれば歌ってみたいと思っています。アルバムに『ふたりの』というのがあるんですけど、その中の曲だったらなんでも歌いたいくらいです。
とにかく優しさを感じ取れる、パーソナルなあれこれ
――スターバックスがお好きということですが、何か好きになるきっかけがあったのですか?
鈴谷:お姉ちゃんが良く行っていて、そこについていく形で好きになったので、きっかけはお姉ちゃんですかね。リスナーさんは「ATほにゃららが張ってあるから入れない!」とか言うんですけど、全然そんなことないです。店員さんに、飲みたいものを指さすだけでいいっていう風によく言っています。
――ちなみに、スターバックスでオススメの組み合わせはありますか?
鈴谷:この前JK組にもオススメしたんですが、スターバックスラテにバニラシロップを追加するというのが、おいしいので是非!
@aki_suzuya
— 樋口楓🍁にじさんじ所属 (@HiguchiKaede) September 27, 2021
hey、アキくん!
スタバで、ほのかに甘くて
スタバしてる感が味わえる、冷ためのメニューを教えて‼️‼️
▲JK組にオススメしているツイート。
――今、衣装がすぐに貰えるとしたら、どんなものを選びますか?
鈴谷:ゴテゴテのゴスロリが着てみたいですねぇ。前回の衣装が男の子っぽいものだったり、夏服もけっこうフリフリしているものなんですけど、もっとこう……すごいのが着たいです(笑)。
――とてもお似合いになると思います。新衣装を決める際の流れみたいなものがあったりするのでしょうか?
鈴谷:夏服のときで言うと、好きな洋服のホームページをいくつか、ねづみどし先生に提出させていただいて、こんな感じでという風に進めて行きましたね。
――にじさんじ公式番組のなかで、出てみたいものはありますか?
鈴谷:『にじさんじのB級バラエティ(仮)』とか興味ありますね。ちょいちょい見てる感じなんですけど、全体的に楽しそうだなっていうのがあって。
――公式番組のひとつである『ヤシロ&ササキのレバガチャダイパン』にも、今後出演できるようになると思うのですが、番組でやってみたいゲームはあったりしますか?
鈴谷:レトロゲームとかは触れたことのないものが多いので、プレイしてみたいとは思います。
――社さんが喜びそうですね。ちなみに、鈴谷さんが人生で初めてプレイしたゲームはなんだったでしょうか?
鈴谷:『スーパーマリオブラザーズ』だったかなぁ。お母さんがゲームがすごく好きな人なんですよ。なので物心ついたときから、お母さんがゲームをやっていて、それを見てるという関係性ができていたんです。ファミコンとか64といったゲーム機が全部あるんですけど、お母さんに「一緒にやろう」って誘われてプレイしたのが、これだったと思いますね。
共に歩んできた「アキネコ」さんたち
――ファンであるアキネコさんたちは、鈴谷さんにとってどのような存在ですか?
鈴谷:宝物みたいな存在です。ボクってあんまり器用じゃないし、大きな企画をやるわけでもないのに、しっかりついてきてくれる、可愛らしくて愛らしい存在。アキネコさんたちの言葉や行動がなければ、ここまでライバーを続けられてなかったんだろうなぁとも思いますし、4年目を迎えられるのも、アキネコさんたちのおかげかなと感じています。
▲鈴谷さんのかわいさをサクッと再認識できる切り抜き。
――普段の配信や非公式wikiなどを見てみると、すごく熱意を感じますね。
鈴谷:この前も『にじFAN Talk』というイベントで、1対1でお話しする機会があったんですけど、知っている方ばかりだったので、緊張せずにお話しできました。
――ファンの皆さんの熱意といった部分は、どのようなところで感じますか?
鈴谷:Twitterに書いている「今度のライブにお花を上げるから協力してくれる人募集」とか、「誕生日に色紙を書こう」とかですね。本当はボクが見ちゃいけないかもしれないんですが、エゴサをすると拾ってしまうので(笑)。とてもありがたいし、かわいいなぁって思います。
――ちなみに、エゴサはどのくらいの頻度でされるのでしょうか。
鈴谷:Twitterを開くとエゴサしてます。アキネコさんは恥ずかしがり屋さんが多くて、タグをつけて話してくれればいいんですけど、こっそり書く人が多い気がして。逃さないように見てますね。
――アキネコさんに向けてのメッセージを一言お願いします。
鈴谷:これからもゆるく頑張りますので、みんなも無理せずについてきてください!
3Dの身体を手に入れて思い描く、これからの夢とは
――これからの目標や将来の夢を教えてください。
鈴谷:小さな会場で、アコースティックライブみたいなイベントをしたいですね。大きな会場もいいんですけど、ひとりひとりの顔がよく見られる会場で、ゆったりまったりライブがやりたいです。
配信でやりたいことだと、まだ凸待ちをしたことがないので、勇気をだして一度はやってみたいと思っています。1期生のみんなには来てほしいですけど、あとは刀也お兄ちゃんが来れるかどうかですね(笑)。
――最後に『initial step in NIJISANJI』への意気込みをお聞かせください。
鈴谷:みんなでいろいろな案決めたりしている最中なんですけど、今でさえボクらが楽しくできているので、当日は本当に素晴らしい日になると思います。ボクも頑張って動いたり歌ったりするので、現地やニコニコで見る皆さんも、絶対に楽しいライブになると思うので、楽しみにしていてください!