インタビュー

2022.02.06

YouTube単体で伸びるのは、もう難しい 青道アカトインタビュー後編【個人VTuberのストーリー#2 】

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キズナアイさんの「無期限スリープ」のお知らせを受けて


──2月26日のライブをもって、キズナアイさんが無期限スリープ(=活動休止)に入られます。界隈の内外を震撼させるお知らせでしたが、4年にわたって活動されてきたアカトさんは、どのように感じましたか?

青道アカトさん:聞いたときはもう、言わずもがな衝撃的でした。自分がVTuber活動を始める前から見ていた1人でしたし、「バーチャルYouTuber」というものがCMやテレビ番組、ライブに出るという実績をつくっていった、こういう世界があるということを世の中に示していった親分的存在でしたし。でも、ショックっていう感じではないんです。発表の動画やTwitterの発表文を拝見したんですけど、悲しいという気持ちも僕には全くなかった。


──というと?

青道アカトさん:中には「一つの時代が終わった」と悲観している方もいらっしゃいました。だけど、別に終わってないよなって。前向きなアップデートのための活動休止ですし、ああやって親分が言うんだったらきっとパワーアップ、ボリュームアップ、ビルドアップして帰ってくるだろうから、どっしり構えて待ってようって思ったんです。むしろVTuberやり続ける楽しみが増えましたよ。

──すごくポジティブな答えが返ってきて、安心しました。どうしても「休止」と聞くと、本人が言っていないことまで含めて悲観してしまいがちです。本人の言葉を、素直に受け取りたいものだなと思いました。


青道アカトさん:引退とか卒業とかだったらすごく悲しいですよ。でも「戻ってくる」という一文があるなら、楽しみにしながらずっと待つことができます。みんなが自分のチャンネルを盛り上げて、界隈が衰退することもなく温まっていって、キズナアイちゃんが戻ってこられるような場所をつくることが大事なんじゃないでしょうか。一番最悪なのが、キズナアイちゃんが戻ろうとしたら界隈が衰退していて、土壌がなくなっていることですからね。今までと変わらず、純粋にVTuberの世界を楽しんでおけば、それでいいんじゃないですかね。


Twitterは配信より気軽に自分を知ってもらえる、ポートフォリオのようなもの


──アカトさんは2021年に万バズ(※)を3回起こすなど、Twitterでの発信やコンテンツづくりにも力を入れている印象です。これはどのような考えからなのでしょうか?
※ツイートにいいね(あるいはRTとの総計など諸説ある)が1万以上つくこと
 


青道アカトさん:もうYouTube単体で伸びるのはちょっと難しいなと思って、Twitterでバズることを意識するようになりました。視聴者さんの24時間からお仕事、バイト、趣味、お出かけといった時間を引いた後の限られた時間の中で、どんなVTuberかも知らないのに、いきなり配信を見に行くような冒険って、なかなかやらないと思うんですよ。

だから必ずしも、入口がYouTubeでなくてもいいと思ったんですよね。TwitterはVTuberもファンもほとんどの方が活用してますし、動画のアップや配信開始もツイートで知る人が多いと思うんです。

──確かに、そうだと思います。

青道アカトさん:Twitterは画像や短い動画をあげることができますし、見る側もそういうのを見て、「このVTuberってどんなキャラなんだろう、どんなセンスを持ってるんだろう」って一瞬で知ることができる。長時間の配信よりもストレスなく、気軽に知ることができるポートフォリオみたいなものだと思うんですよ。そこから「じゃあどんな配信してるんだろう」「普段はどんな喋りをするんだろう」っていう興味が、少なからず出てくるものだろうな、と。

──実際今、YouTubeのチャンネル登録者数は約8,000人。Twitterの方は1万3,000人ですもんね。

青道アカトさん:拡散力は断然YouTubeよりTwitterの方が、大きいと思いますね。今ではVTuber関連のワードがTwitterトレンドに上がることも珍しくないですし、VTuberにとってのTwitterって、YouTubeとセットと言えるくらい身近なツールだと思います。

──そこからVTuberのチャンネルを見てもらうでもいいし、そうでなくてもファンとして付いてくれれば、それでいいかなっていう感覚でしょうか。

青道アカトさん:そうですね。もともと反応をもらいたくてVTuberになったので、何か自分のセンス由来のものであれば、VTuberではないことがきっかけで伸びてもいいと思っています。それであわよくばYouTubeチャンネルの登録にもつながったら嬉しいですね。

僕は中学の頃から漫画も描いていたので、それも生かせたらなと。実は2020年の11月ぐらいまでは、ずっと「自分は絵が下手だ」って言ってたんですよ。VTuber活動も長くは続かないだろうし、キャラづくりとして下手な絵を上げたりとかして、そうすることで「楽しんでもらえたら」という考えの一つとしてやってたんです。でもある程度絵を描けることは自己表現として欠かせないことに気づいて、もうばらさなきゃいけないなと思ってカミングアウトしました。

それからは、僕が描いたものがバズったら、その制作話をするなどYouTubeでの配信にも生かせるようになりました。何かで話題になると、それをきっかけに配信を見に来てくれる人もいますしね。

──カップ麺のイラストはニュースにもなっていましたね。

青道アカトさん:「そっちでニュースになるの!?」という複雑な気持ちはありつつ(笑)。春日部つくしというVTuberの友達がいるんですけど、彼女が埼玉県のバーチャル観光大使になってヤフーニュースに載った一方で、僕はカップ麺の蓋の裏に書いたおじさんでヤフーに載って……「何だこれ」と思いつつも、これはこれでおいしいかなって。


ミームじゃないですが、VTuber界の話題って拡散も早くて、「〇〇でバズった男」とか「VTuberで初めて何した男」のようなおもしろおかしい肩書きがあると、みんな面白がってネタにしてくれるんですよね。

初めての企業案件でやってしまった「大事なお知らせ」


──初めての企業案件の思い出についても、教えてください。


青道アカトさん:初めては2020年9月のウェブポンですね。web上でできるガシャポンで、必ずどれかグッズが当たるというものです。お話いただいた時はもう爆裂に嬉しかったんですけど、自分の今の人気でどれぐらい売れるんだろうっていう不安もあって。企業も関わってくるので、売り上げが少ないと申し訳ないじゃないですか。

でも、だからこそ燃えたんですよ。当時個人男性VTuberで、ソロでウェブポンでグッズ販売してる方なんて片手で数えられるぐらいしかいませんでした。それならもう「個人男性VTuberでのウェブポン売上1位目指すぞ!」という気持ちで臨みました。過去に出た方々のグッズのラインナップを全部保存して、Twitterでの評判やハッシュタグのツイートを見て、人気が高そうな人のグッズの種類とかをチェックして。

──すごい執念……!

青道アカトさん:もちろん元々の人気も影響するでしょうけど、だからといってグッズ自体を妥協する理由にはなりませんからね。他のグッズにデザインを使いまわすことも極力なくして、過去の素材だけじゃなく書き下ろしも用意して、直筆色紙で限定感も強めて……あとは、青道アカトというVTuberを知らなくても「ほしい」と思えるグッズを意識しました。そうでなくても自分の顔がバーンって載ってるグッズって、外とかでつけづらいと思うので、キャラ性は弱めてデザインチックなものをまぜたり。

──かなりファン心理をわかっていらっしゃいますね。期間中はどんな動きをされていましたか?

青道アカトさん:期間中はもうとにかく宣伝の毎日で、今までウェブポンをやった人たちを呼んで、応援されながら自分でウェブポンをプレイする配信もしました。あとは昔やってたホストになる配信になぞって、何か購入したよっていうツイートを見たら、ホストのシャンパンコールをするっていう。

──初めての企業コラボということで、ファンの方も嬉しかったんじゃないかなと思います。

青道アカトさん:あ、でも……1個でもいいから多く買ってほしいって想いが強くなりすぎて、初めて自分の配信で「大事なお知らせ」をやっちゃったんです。黒背景に白い文字で、いかにも悲しげなサムネイルにして。

──あっ……。

青道アカトさん:告知動画でも「引退」の引の字をでかでかと画面に映したりして、でもそれは「ガチャを引く」の引なんですけど……(笑)。そんな悲しいお知らせじゃないよって予防線は張っていたものの、「ハラハラさせないで」という声がたくさん来て。配信ではにじさんじの樋口楓ちゃんやホロスターズの影山シエンさんがコメントをくれたりもしたので、もしかしたら心配してくれたのかな、とも思いました。
 



ただ、自分が立てていた一番目先の売上目標は達成できて、結果はどすこい嬉しかったです。それまでのVTuber活動の中で、多分一番頑張ったんじゃないかな。


ファンの反応は、酸素みたいなもの

──丸4年間続けられて、活動の方向性も模索されてきたことがここまでのお話でよくわかりました。改めて今、アカトさんにとって何がモチベーションとなっているんでしょうか?

青道アカトさん:やっぱりファンからもらえる反応です。配信のコメント、Twitterのリプライ、お手紙、プレゼント、あとはグッズを買ってもらえること。僕、反応がゼロになったらVTuberやめようと思ってるんです。ファンの反応は、僕にとって酸素みたいなものなんですよね。

なんか活動しにくいな、落ち込んでるなっていうときには、いただいた手紙を読み返したりしています。……すごくないですか、だって本当に限られた1日の中で時間をつくってくださって、自分の配信や動画を見てくれたりプレゼントを送ってくれたり。スパチャやファンアートも。イラスト描いてる身からすると、絵って半端ない時間かかりますから、それを自分のために費やしてくれているだけで奇跡だと思うんですよ。なんかそう思うだけでエネルギーになります。


青道アカトさん:あとは、ほどよくやることですね。頑張ってもいいですけどそれはもう自己責任です。毎日配信したり動画を上げることももちろん大事だと思うし、否定はしないんですけど、自分はもうマイペースにやるのが一番いいと思っていて。あんまり間を空けすぎてもよくないですけどね。自分のやりやすい頻度と、やりたいことと、視聴者が面白がってくれること。これらを見ながらかなと思います。

──やっぱり何か達観されてるというか。ファンを楽しませたい気持ちと、反応がほしい欲求と、もちろんご自身の体力やリソースを見ながら、丁度良いバランスをつかんでらっしゃるんですね。

青道アカトさん:達観なんてしてませんよ、僕まだ高校生ですよ(笑)

──(笑)。改めて、おすすめのアーカイブやPRはありますか?

青道アカトさん:前編で話した朗読2時間スペシャル配信と、最近だと日本語禁止の格ゲー実況とかもテンションがおかしくて面白いんじゃないかな。
 


 



青道アカトさん:あとは以前Twitterにあったフリート機能でくだらない画像を1,000枚ぐらいつくったんですけど、どれが一番くだらなかったか視聴者投票で決める「クソフリート大賞」のような視聴者参加企画もあります。
 



青道アカトさん:それとそれと、こないだ、初めてソロの歌ってみた動画を出しました。歌、イラスト、動画を自分でやってますので、普段の面白いアカトが好きな人も、ぜひ歌ってるかっこいいアカトを見に来てほしいです。真剣に歌いました!


──ありがとうございます!最後に、読者の方へ向けてメッセージをお願いします。

青道アカトさんこれからも、自分が良いと思ったものをつくったり、面白いと思ったことをマイペースにうるさく発信していきたいと思います!!!!!!!!!!!!!!!!

よろしくどすこいベイベー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

青道アカトYouTubeチャンネル
青道アカトTwitter

Writer:ヒガキユウカ 

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