インタビュー

2022.01.25

ホロスターズマネージャー・大道シノヴさんインタビュー この仕事をしていて、嬉し泣きをしたことはまだない

男性VTuberグループ「ホロスターズ」で、マネージャーを務めている大道シノヴさん。個性豊かなメンバーを縁の下で支え、的確にサポートする敏腕ぶりは、ホロスタ民(ホロスターズファン)の方々からも厚い信頼を集めています。
とはいえ裏方であるマネージャーがフォーカスされる機会は、そう多くはありません。そこで今回は現在進行中である「ホロスターズリレーインタビュー」の番外編として、大道シノヴさんに取材を敢行! 普段のお仕事内容やマネージャーになった経緯、シノヴさんの視点で感じるホロスターズの魅力など、いろいろなお話を伺いました。


■多岐に渡るホロスターズマネージャーの仕事

──早速ですが、シノヴさんが普段されているお仕事の内容からお伺いできますか?

大道シノヴさん(以下敬称略):メンバーとのやりとりが中心ですが、ほかには案件の調整や、お仕事をお願いしているクリエイターさんとのやりとり、スタジオでの配信や収録の立ち合い、細かい社内調整などいろいろな業務があります。

あとはデビュー周年日、誕生日、3Dお披露目、新衣装お披露目といった節目の企画の進行サポート、グッズ制作のサポートなどもありますね。

──最初はお一人でメンバー全員を担当されていたんですよね。ちょうど一年前からマネージャーさんが増えたと伺いましたが、シノヴさんの忙しさは落ち着かれたんでしょうか?

大道シノヴ:確かに担当人数は減りましたが、ホロスタ民のおかげでホロスターズも成長しているので、メンバー一人ひとりができること・やれることも増えてきています。そのボリュームアップがあるので、実は私の業務量はそんなに大きくは変わっていません。うれしい悲鳴です。

──なるほど……! 一日の流れはどんな感じなのでしょうか?

大道シノヴ:本当にざっくりの説明ですが、午前からお昼ぐらいに起床して、最初の2時間ぐらいは事務作業です。具体的にはメールのお返事や社内への連絡や会議などですね。そのあといろんな打ち合わせがあって、夕方から夜ぐらいにかけて、メンバー対応が始まっていきます。メンバーはやっぱり、夜型の人が多いので(笑)

──メンバーさんとはどんなやりとりを?

大道シノヴ:確認事項が多いです。今後予定していることとか、企画の内容とか、グッズのこととか。あとは週1回~月1回くらいのペースで、通話で雑談まじりのコミュニケーションも取っています。普段はチャットコミュニケーションが主体なんですが、定期的に話をする場を持ちたくて。

──定例会議のようなイメージですね。夜はどんな作業をしているんでしょうか?

大道シノヴ:時間があって見れる配信があったら、チェックするようにはしています。たとえば概要欄をちゃんと書いてるかなとか、コメント欄の反応を見たりとか。そうこうしていると、お昼に投げてあった連絡の返信が来るので、その返信をして、終わったら寝る、というサイクルです。

──メンバーさんが外部へ出演しに行くようなお仕事も増えていますが、そういう現場に付き添うこともあるのでしょうか?

大道シノヴ:もちろんあります。先方とのご挨拶もそうですが、現場の環境に合わせて、メンバーがスムーズに出演できるようにサポートするのも大事な仕事です。


■「私でよければ」 シノヴさんがマネージャーになるまで

──そもそもシノヴさんは、どんなきっかけでVTuberの世界に出会ったのでしょうか?

大道シノヴ:最初に見たのはキズナアイさんだったんですが、正直な所、どういう存在なのかよくわかっていなかったんです。第一印象では「初音ミクの3Dライブのようなものなのかな」と思ったんですけど、VTuber文化の広がりとともに自分も見る機会が増えていって。配信やゲーム実況といった世界に触れるようになったのも、VTuberがきっかけでした。

──そこからホロスターズのマネージャーになったのは、どのような経緯なんでしょうか?

大道シノヴ:私がカバーに入社する少し前のことなんですが、いろんな企業さんが出展するとあるイベントがありました。小規模のコミックマーケットみたいなものです。そのイベントでたまたまカバーが出展していて、ブースを見たときに楽しそうだなと興味を持ちまして。調べてみたら求人を出していたので、ちょうど転職を考えていたこともあり、エントリーしたんです。

──ホロスターズのマネージャーになってほしいと言われたのは、どのタイミングだったんでしょうか? そのときの心境もぜひうかがいたいです。

大道シノヴ:選考中の時点で、「入ってもらうとしたらホロスターズのマネージャーをお願いすることになると思います」と言われていました。

元々私自身も「アイドルマスター SideM」などが好きで、男の子を担当することに対して特に違和感は抱かなかったですし、何より立ち上げたばかりのブランドに最初から携われることに魅力を感じたんですよね。それで「私でよければ」ということで、ホロスターズのマネージャーとして入社することになりました。

──その後、入社と同時にTwitterアカウントを開設されて、ikuyoan先生デザインのお姿も見せられています。同じVTuberのマネージャーや運営で一切表に出てこない方もいらっしゃる中で、シノヴさんがこのスタイルになった理由を教えてください。

大道シノヴ:ホロスターズが新しくスタートしたばかりだったので、直接的な広報と言いますか、みなさんに見える範囲でちゃんと運営が動いている情報を届けるには、何か発信をしないと伝わらないかなと思ったんです。それなら、ホロライブで運営スタッフとして活動しているAちゃん先輩を見習って、私もアカウントを持とうかなと。かなり自由に運用させてもらっています。

もちろんみんなのスケジュールをツイートしたり、会社の情報も発信するんですけど、一方でハマっているマンガ・アニメ・ゲームの話なんかもしています。自分自身はただのオタクなので(笑)


■ホロスターズのメンバーは「すごく真面目」

──マネージャーの視点から見て、ホロスターズの皆さんの魅力はどういう所にあると思いますか?

大道シノヴ:すごく真面目な所がいいなって思います。クリアしないといけない課題とか、今後はこれをやっていこう、ということを自分でちゃんと考えられる子たちなんですよ。

あと、それぞれにちゃんと武器がありますよね。歌がうまい人、ゲームがうまい人、しゃべりが強い人、声が良い人……いろんな人がそろっているので、リスナーさんも自分が好きな人・気になる人を選べると思います。


──ときどきメンバーさんの配信に出演されていますが、どんな形でお誘いが来るんでしょうか?

大道シノヴ:もうシンプルに、「出てもらっていいですか」って感じですよ。私としては、「何か手伝ってほしいことがあるなら行くよ」というスタンスです。

ただ気をつけているのが、私はただの裏方であって、メンバーより目立つなんておこがましいことはできません。YouTubeの新機能が出たとき、メンバーの前に自分が試して確認したりするために自分のチャンネルは持っていますが、自分主体で配信する予定はないです。


──ファンの方々からすると、「マネージャーさんと接している推し」というちょっと新しい一面を見られて、嬉しいですよね。

大道シノヴ:そういった方々がいるというのも、認識はしています。中には私が出ることを喜んでくれる人もいて、それはもちろん嬉しいことだと思いますね。

■そもそも男性VTuberが知られていなかったーーホロスターズの歴史を振り返って

──ホロスターズ発足以降の歴史を振り返ってみて、大変だったことはありますか?

大道シノヴ:単純に、ホロスターズを知ってもらうことが一番大変でしたね。その苦労はもちろん今も変わらないんですけど、最近はいろんな方のご協力とメンバーの努力が実って、各所からお声がけいただいたり、イベントも打てるようになりました。

2年前は、そもそも男性VTuber自体が知られていない、VTuberという文化自体がまだまだ女性のお客さんに全然認知されてない、そういう時代でした。

──そのあたりの苦悩は、メンバーさんも同じ想いがあったんじゃないかなと思います。逆境だからこそ一丸となっていた側面もありましたか?

大道シノヴ:そうですね……気持ちとしては、もう「やってやんぞ!」しかなかったです。「やってやんぞ、負けてたまるか」っていう。そのモチベーションで頑張っていました。

ただ、2021年に入ってからは、「ちゃんと大きくなってきてる」という実感を得られるようになったんです。全員がYoutubeのチャンネル登録者数10万人を超えて、銀盾をもらえたときはやっぱりうれしかったですね。

以前は、普段の配信も同接100人とか、それにも満たないことが当たり前だった。「当時じゃ考えられなかった」ってよくメンバーが言うんですけど、今は同接1000人を超えるようにもなりましたし、おかげさまでチャンネル登録者数が20万人を超えるメンバーも出てきています。


──全員が10万人達成した瞬間というのは、やはりシノヴさんにとっても一つの契機だったんですね。

大道シノヴ:むしろそれまでは必死すぎて、感動とかうれしいみたいな気持ちがほぼなかったんです。というより、感じる余裕がなかった。この仕事をしていて嬉し泣きしたことって自分はまだないんです。

──ありがとうございました。最後に告知や、読者の方に向けたメッセージがあればお願いします!

大道シノヴ:メンバーがどんどん3Dになっていますので、もし「男性VTuberってどういうことやってるんだろう」と興味を持ったら、ぜひ見に来てほしいです。あとはメンバーや全体のオリジナル曲を聴いてみてください。それと何より、みんなのチャンネル登録とTwitterフォローをよろしくお願いします!


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