
最近のVTuberのトレンドの一つと言っても過言では無いかもしれませんが、「テーマやコンセプトを持った」グループのデビューが目立ちました。今回は2021年に結成され、グループとしてのコンセプトが強い4つのグループと、注目メンバーをそれぞれ紹介していきます!
■5人の魔女《バーチャルシンガー》が紡ぐ物語「V.W.P(Virtual Witch Phenomenon)」
「KAMITSUBAKI STUDIO」に所属するバーチャルシンガー、花譜さん、理芽さん、春猿火さん、ヰ世界情緒さん、幸祜さんら5名から成るグループ。2021年3月に結成されました。
――五人の電脳の魔女達が結集。神椿から産まれた運命の五人の少女達が織り成す魔女達の現象。をコンセプトに、主に音楽活動を中心に活動しています。
「V.W.P」はVTuber界に存在するグループの中でも異質だと言えるでしょう。歌を得意とするVTuberは多くいますが、彼女たちは基本的にゲーム実況、雑談などを個人で配信することはありません。個人のチャンネルで公開される動画も「歌」に関連するものが主であり、まさにアーティストだと言えるでしょう。
ミステリアスな一面が強い「V.W.P」ですが、ライブ中のMCや、ラジオ番組では歳相応のトークが繰り広げられることも。普段のクールでカッコいい歌声で魅せる彼女たちが、ゆるゆるな雰囲気の中で笑い合っている様子は「てぇてぇ」で溢れています。
注目メンバーは、グループの中心人物である花譜さん。透き通るような歌声と圧倒的な表現力で多くのファンを魅了し続けています。
また、バーチャルな存在としては珍しく実年齢を公開しています。2018年に14歳という若さでデビューした彼女も、12月で18歳に。歌やトークで花譜さんの成長を感じることができるのも、応援したくなる一因でしょう。
キズナアイさんがMCを務める音楽情報番組「VMZ」にゲスト出演した花譜さん。緊張している姿も愛らしい!
最近では動画やSNSを通じて観測者(ファンの名称)たちとの交流も増えており、彼女たちの新たな魅力に触れる機会も多くなってきています。
彼女たちの主戦場となる音楽の舞台での活躍も忘れてはいけません。デビュー曲である「電脳」は、2021年12月時点で165万回再生を達成。アニメーションによるMVは、多くの視聴者を「V.W.P」の世界へと誘いました。
続く「輪廻」は、人気TVアニメ『マブラヴ オルタネイティヴ』オープニング主題歌に抜擢。アニメの世界観を大切にしつつも、「V.W.P」らしさを詰め込んだ歌詞は原作ファンからの支持も得ています。
3曲目「変身」はゲームアプリ「アーテリーギア」テーマソング。KAMITSUBAKI STUDIO所属の作曲家・カンザキイオリさんが過去に作った未発表曲で、それを「V.W.P」のためにリアレンジした一曲です。
音楽活動以外にも、2021年10月には「謎解きゲーム」と「Discordでのユーザーコミュニティ」を体験できる「神椿市建設中。」のサービス提供がされました。
毎日出題される謎を、ユーザー同士が協力して解いていくプロジェクトは「神椿市の伝説の1ヶ月」として、多くのファンの記憶に刻まれました。
最近では、花譜さんと、声優・佐倉綾音さんによるデュエット曲「あさひ」のリリースや、美しいイラストが展示される「V.W.P展」の開催など話題が絶えません。こういった、新しいことに挑戦する姿勢も「V.W.P」「KAMITSUBAKI STUDIO」の魅力でしょう。
「音楽と物語」が織りなす、新時代の最強バーチャルアーティストグループ「V.W.P」。デビューとともに芽を出した彼女たちが、どんな花を咲かせるのか期待せずにはいられません!
なお、Up-Stationでは「V.W.P」メンバーの素顔に迫るインタビューを掲載しています! こちらも合わせてお楽しみください!
「ここからが本番」バーチャルシンガー理芽は止まらない
「このままの自分でいいんだ」雄飛の時を迎えるバーチャルラップシンガー春猿火
鋭い「弾丸」のように バーチャルロックシンガー幸祜が音楽に秘める想いとは
■ゲームセンスに秀でた「にじさんじ」の新たな可能性「エデン組」
「エデン組」は、2021年7月に「にじさんじ」よりデビューした、アクシア・クローネ、ローレン・イロアス、レオス・ヴィンセント、オリバー・エバンス、レイン・パターソンら5名のコラボ名。5人の出身地である「エデン」から名付けられています。
「にじさんじ」としては、「世怜音女学院」以来、約1年ぶりの新人ライバーとなります。彼らの大きな特徴の一つとして「ゲームスキル」が挙げられるでしょう。特に注目メンバーである、アクシアさん、ローレンさんの2人は配信でも人気のある『Apex Legends』において、全プレイヤーの上位 0.4%といわれる「マスター」「プレデター」というランクにそれぞれ属しています。
端的に言えば”プロ顔負けのプレイヤースキル”を持った逸材。そんな2人は「THRONS(スローンズ)」というユニットを結成していて、同事務所の叶さん、葛葉さんによるユニット「ChroNoiR(クロノワール)」と肩を並べるほどの仲の良さが伺えます。
2021年のゲーム・オブ・ザ・イヤーを獲得した名作『it take two』を2人で協力プレイする姿は、笑いあり、てぇてぇありの配信となっていました。
また、レオスさんは鬼畜ゲーとして有名な「超魔界村」をノーコンでクリアするほどの腕前。オリバーさんはホラー・サバイバルゲームを得意としています。紅一点のレインさんは、2歳から麻雀を嗜んでいるとか。
そんな5人での『Gang Beast』『Dead by Daylight』などゲームを通した同期コラボも好評であり、ゲーム実況は彼らの強みといっても過言ではありません。
雑談、歌、キャラクター性などVTuberの基礎をおさえつつも、ゲームという武器を持っている「エデン組」は、今後「にじさんじ」の柱となる素質を感じられます。
■ソニー・ミュージックレーベルズが手掛ける大型VTuberプロジェクト「VERSEⁿ」
2021年11月にデビューしたVTuberプロジェクト「VERSEⁿ」は、マル・ナナモナさん、ヒトシロ・イツキさん、カガセ・ウノさん、アルバ・セラさん、カシ・オトハさんら5名で結成。
様々な物語を巡るVTuberプロジェクトと銘打たれ、ライブ配信・アニメ・音楽・イラスト・小説・漫画などのコンテンツをクロスメディアで展開することが予定されています。
先んじて公開されたアニメーションPVは、『けいおん!』でキャラクターデザイン・総作画監督を務めた堀口悠紀子氏をはじめ、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』でオープニング映像演出を手掛けたmaxillaにより制作されており、圧巻のクオリティで「VERSEⁿ」の世界観が描かれています。
先述したように、クロスメディア展開を前提に構成されているため、物語、キャラクター性に力を入れているのがわかります。
世界観が少し複雑と感じる方もいるかもしれませんが、メンバーたちはゲーム実況や雑談など馴染みのある配信をしているので、ここから「VERSEⁿ」の世界に足を踏み入れるのをオススメします!
メンバーも個性豊かで、特に注目メンバーであるイツキさんは柔道、剣道、弓道で初段を持っている武道家。これまでVTuber界にはいなかったタイプです。今後、その特技を活かしたキャラクター性や配信が生まれることに期待したいですね!
また、ソニー・ミュージックレーベルズが運営しているため、音楽活動にも力を入れています。新人Vtuberとしては異例のオリジナル曲が用意されており、オトハさんの「MELODY SUE」、セラさんの「Bloom」は再生数も多く、非常に高い評価を得ています。
ソニー・ミュージックレーベルズが力を入れる大型プロジェクト。今後も様々なメディアで展開される、新しいVTuberの可能性をみせてくれることでしょう!
●「ホロライブ」初となるユニット・秘密結社「holoX」
ラプラス・ダークネスさん、鷹嶺ルイさん、博衣こよりさん、沙花叉クロヱさん、風真いろはさん、5名によるホロライブ6期生。通称・秘密結社「holoX」は、2021年11月にデビューしました。
突然の発表にSNSを中心にファンたちは大盛りあがり。「ホロライブ」では初となる「少しダークな雰囲気を醸し出す謎の組織」というユニット要素を強く打ち出した「holoX」は、Twitterではトレンド1位を獲得するなど大きな話題となりました。
デビューと同時に「歌ってみた」を発表。積極的なショート動画投稿や、人気の耐久配信など積極的に活動を行っています。
全員が「企画力」「歌唱力」「実況力」など、配信者として必要な技術が高水準。ホロライブ6期生という高いハードルを、しっかりと超えてきたといっても過言ではありません。
実際、12月時点で全員がチャンネル登録者数が30万人以上。特に沙花叉クロヱさんは、VTuber史上最速のデビュー配信後11日で登録者数60万人を達成しています。「ホロライブ」所属という強みがあることは間違いありませんが、彼女たちのクリエイティブな才能と努力は誰もが認めるところでしょう。
注目メンバーは、グループのまとめ役であり実質的なリーダーでもある総帥・ラプラスさん。歌、雑談、企画と幅広いジャンルの配信を行っています。Twitterのスペース機能を利用してファンとの交流するなど、活動の広さに関してはピカイチです。
また、ゲーム実況に関しても『valorant』『ポケモン』など人気ゲームはもちろん、『シャドウバース』『ゴッドフィールド』のような他のホロライブメンバーが扱っていないタイトルも積極的に実況。「ホロライブ」に、新たなファン層を呼び込んでいます。
紫咲シオンさんのマイクラコラボでは、毎日のように遊んでいる2人の仲の良さが堪能できます。先輩と後輩が仲睦まじく笑い合っている姿は最高です。
他のメンバーも続々とコラボ予定を発表しています。今後ホロライブメンバーたちと仲良くなっていく様子を見守っていきたいですね!
以上、VTuberグループ4組をご紹介しました!
今年はこれまで以上に、横の繋がりやチームワークを意識したVtuberの活躍が目立ったように感じました。紛れもなく新たなトレンドの一つではないでしょうか。今後もグループでの強みを活かした活動を期待したいところです。
2022年のVTuber界も、まだ見ぬ新人さんや、新しい流行が生まれることでしょう。彼ら、彼女たちが作り出す世界を、遠くて近い不思議な距離感で見守っていきたいですね。