インタビュー

2022.07.03

Tacitlyの新曲『VOICE』公開記念インタビュー! 曲に込められたTacitlyの新たな挑戦を聞く

日本語・英語・中国語の3ヵ国語で歌うトリリンガルバーチャルユニット、Tacitlyの新曲『VOICE』が7月1日から配信! 敏腕プロデューサーであるバニーPさんには『VOICE』のコンセプト、Tacitlyのシエルさんとリリアさんには新曲への思いを語って頂きました。また、本曲の作詞、作曲を手掛けたボカロPのKIRAさんからメッセージが届いたので、そちらも併せてご一読ください!

今までの曲とは一味違う表現

――それでは自己紹介からお願いいたします。

バニーP:僕は『生放送アニメ 直感×アルゴリズム♪』ではKilin(以下、キリン)とXi(以下、シー)にバーチャルアイドルになってもらうために送り込まれたエージェントだったバニ。昔は悪いことを考えていたこともあったけど、今は心を入れ替えて、リリアとシエルが世界中に友達を作って音楽を届けることを見守っているプロデューサーバニ!

――Tacitlyが大切にしている音楽のテーマはございますか?

バニーP:『直感×アルゴリズム♪』(以下、直アル)、そしてTacitlyというバーチャルユニットには大切にしているテーマがあるバニ。それは「人と人がどうすればわかりあえるのか?」バニ。Tacitlyというユニット名も“以心伝心”(中国語では“心有灵犀)という諺にちなみ、「言葉や文化が違っていても思いは伝わる」というコンセプトを元に名付けられたバニ。

――なるほど。では新曲『VOICE』のコンセプトをお聞かせください。

 

バニーP:今回の『VOICE』でも、Tacitlyの音楽のテーマである「人と人はどうすればわかりあえるのか?」ということを謳っているバニ。

この曲の詞は直アル2nd SeasonのLinlin(以下、リンリン)とシー、ふたりの葛藤の物語を元に創られているバニ。

2nd Seasonは元々の人格であるキリンの記憶が上書きされて、リンリンという別の人格になってしまったバニ。それをキリンの相方であるシーは受け入れることができず、前のキリンの記憶を取り戻そうと奔走するバニ。一方でリンリンも、もうひとりの人格としてシーに認めてもらおうと奔走するバニ。二人がぶつかり合い、葛藤しながらもお互い向き合う中でシー自身が「キリンという人格もリンリンという人格もかけがえのない存在」に気づくバニ。

『VOICE』ではそんなふたりの先輩、リンリンとシーのストーリー、そして「人と人はどうすればわかりあえるのか?」というTacitlyのテーマをリリアとシエルが今までとは一味違う表現で切々と歌い上げている楽曲になっているバニ。

今回新たな試みとして、海外の作曲家(ボカロP)さんに参加してもらい海外、とりわけ英語圏のファンを意識して曲づくりに取り組んだバニ。

Tacitlyの今までの楽曲では40mPさんの『直感オーバーライト』だったり、*Lunaさんの『オルビット』だったり、日本の作曲家(ボカロP)さんが参加して、日本語をベースに曲づくりをして、その曲をリリアとシエルが3つの言語(日本語・英語・中国語)で歌ってきたバニ。でも今回は、日本でも「MONSTER」やGigaさんとのコラボで知られる海外ボカロPのKIRAさんに参加してもらい、リリアとシエルの得意な英語をベースとする曲づくりに挑戦し、日本語をベースとするこれまでのTacitlyの音楽にはないダークポップの切ない曲に仕上げているバニ。

 

――ありがとうございます。やっぱりそうなんですね。今まで出していた曲とはなにか曲調が違うなと思っていました。

バニーP:新曲『VOICE』を通してTacitlyの音楽の新しい可能性を感じてくれたり、あらたなファンとの出会いをリリアとシエルも楽しみにしているバニ!

――ちなみにバニーPさんは曲の監修や“YouTube Music Weekend”などのライブの演出に関わっているのでしょうか?

バニーP:リリアとシエルの目標の実現をサポートするために、彼女たちが一番良いパフォーマンスを発揮できるような環境や機会、曲のテーマ選定や演出など一緒に考えているバニ。

お互いが共感できる曲をコンセプトに

――“Tacitlyの曲”を作る上で大切にしていることはございますか?

バニーP:Tacitlyが一貫して大切にしている「人と人がわかりあえるには?」という大きなテーマをベースに「Tacitly自身の物語」だったり、「Tacitlyの音楽を聴いてくれている世界中のファンが日々感じていること」だったり、“Tacitlyとファンがお互いに共感できる”というコンセプトで曲づくりをしているバニ。

例えばリリアとシエルのデビュー曲『直感オーバーライト』であれば、「人と人がわかりあえる」ためにもまずは「自分自身をわかること」、そしてそれは「誰かのまねをしている自分ではなく未完成でも自分らしさをみつけること」、その結果「他人とは違う自分」も「自分とは違う他人」も受け入れられるようになることをリリアとシエルがデビューしてこれから自分を見つけていく二人の物語と重ねて40mpさんに曲づくりをしてもらっているバニ。

また2曲目となる『オルビット』では、先輩のリンリンが描きおろした曲で「いろんな人から批判をされたとしても、その自分が信じている道を、己を貫け」とライブデビューを控えたリリアとシエルだけでなくTacitlyの音楽を聴いてくれる人への応援メッセージにもなっているバニ。

 

――2人(リンリン、シー)の先輩の物語を歌詞にしているということですが、これはTacitlyおふたりの要望でしょうか。

バニーP:これは僕の提案バニだけど、もちろんリリアやシエルのアイディアも取り入れているバニ。先輩のリンリン、シーのふたりがどういうふうにわかりあえたのかということを3rd Seasonから知ったPeaches(ファン)に、音楽というわかりやすい形で伝えたかったバニ。それはリンリンとシーの物語である2nd Seasonのストーリーを知ってもらいたいということよりも、『直感xアルゴリズム♪』やTacitlyが大切にしているテーマをリンリンとシーのことを知らないファンにも伝えたかったからバニ。

今までTacitlyは6曲リリースしてきたバニ。その中でも4番目の曲『夢を見て生きている』と、この『VOICE』はリンリンとシーの物語を寓話にして曲を作ろうと考えていたバニ。『夢を見て生きている』を作曲した水野あつさんや、『VOICE』を作曲したKIRAさんが今回のテーマを各々クリエーターの感性を活かしながら曲にしてもらったバニ。表現の違いはあるけど、実は同じテーマを元に曲づくりしているバニ。ぜひその辺を踏まえてこの2曲を聴いてもらうと新しい発見があるかもバニ。

――そうすると今回の『VOICE』に関して言えばいつも出しているような日本語、中国語バージョンは……。

バニーP:いままでの説明の流れだと英語だけしか今回リリースしないと思うかもしれないバニ。でも今回もTacitlyらしく3つの言語でしっかりとリリースするので安心してほしいバニ。ただし今回は英語の音とか韻とか、英語ネイティブに作っている曲なので、“まずは英語版を聞いてもらって”それと中国語版とか日本語版と聞き比べてもらえたら嬉しいバニ。そしてリリアとシエルが最も得意な英語で歌うこの『VOICE』が英語圏のファンにどのように届くかとても楽しみバニ。

――そういったウラ話はDiscordのほうでも出ますか?

バニーP:5月末に開設したTacitly DiscordではTacitlyにまつわる様々な情報を発信していく予定バニ。

――ちなみにディスコードではどういったことを発信するのかは決まっていますか?

バニーP:現在英語圏のファン、日本語圏のファン、中国語圏のファンがちょうど同じくらい参加している構成のコミュニティで、様々な言語のファン同士が楽しく交流できるように6月からは“carrotalk”というチャンネル(僕の開発した自動翻訳機にちなんで)をあらたに開設して、様々な言語圏のファンが文字通り自動翻訳機能を活用して、言語の壁を越えて会話をはじめられるようになったバニ。ささやかなことだけど、キリンとシーがかつて互いに言葉がわからない中でお互いに協力してアイドルを目指した姿とDiscordの中で、ファンのみんなが言葉の壁を越えて交流している姿が重なって僕は本当に嬉しいバニ。これからもみんなの意見を参考に改善しながら、ファン同士が交流できる環境を整えていきたいバニ!

もちろんそれ以外にもTwitterでは伝えきれないTacitlyの魅力を発信したり、このDiscordに参加しているファンと一緒に新しいTacitlyの企画を発信していこうと準備中なので楽しみにしていてほしいバニ!

――“YouTube Music Weekend”で今年の目標が“Go Global”と話されていましたが、この目標はわりと最初のほうから今年の頭の方からの決まっていたんですか?

バニーP:2nd Seasonのリンリンとシーは「日中の架け橋になるバーチャルアイドルを目指す」という目標があり、そのために日本のファン(尻友)と中国のファン(尻友)とも交流をしていきたいバニ。3rd Seasonのリリアとシエルは日本と中国だけなく、「世界中に友だちをつくり、自分たちの音楽を届ける」という新たな目標をデビュー当初から考えていたバニ。でも最初の1年間は彼女たちの活動の拠点であるTacitlyハウスから先輩であるリンリンやシーと一緒に、まずは日本のファンを中心に交流をはじめて、一方で音楽活動は日本語、中国語に加えて英語でも歌を歌いリリアとシエルの音楽をしっかりとアピールしてきたバニ。そして今年はDiscordなどを通じて更に新しいファンとの交流を目指して挑戦していこうとリリアとシエルと話し合って進めているバニ。特に今回の新曲『VOICE』では初めて英語ベースで作曲した楽曲を通して、新たに英語圏のファン(Peaches)にもTacitlyの音楽を届けたいと考えているバニ。これからも“Go Global”に向けて世界にTacitlyの魅力を届けられるようにリリアとシエルと一緒に僕も頑張るバニ!

 

――ありがとうございます。それでは最後にいつも応援しているファンと、Up-Stationの読者へのメッセージをお願いします。

バニーP:いつもTacitlyを応援していただいている読者のみなさん、応援ありがとうバニ。これからもリリアとシエルの目標である「世界中に自分たちの音楽を届ける」ことに挑戦するバニ。今までにはない新たなチャレンジもしていこうと思っているので、ぜひTacitlyの応援をよろしくお願いするバニ。そして皆さんがTacitlyをきっかけに世界中のファンとの交流の輪が広がれば嬉しいバニ!

Tacitlyの曲を世界に

――『VOICE』を初めて披露した際の率直な感想をお願いします。

リリア:「何これかっこいい!」って思いました(笑)。

シエル:Tacitlyは毎回新曲お披露するたびに、新しいスタイルを挑戦しています! 今回の新曲「VOICE」も以前出した曲とまた別なジャンルなので録るのも楽しかったし、皆さんに聞いていただくこともとても楽しみにしていました!

――YouTube Music Weekendで『VOICE』の好きなところを話していましたが、改めてこの曲の好きな歌詞であるとか、お気に入りのところがあればお聞かせください。

リリア:曲の雰囲気がとても好きですが、2番目の初めのところ自分ソロのメロディーが好きですね。歌詞的に「Let me be, take me just as I am」の一行は本音だわって思って、お気に入りです(笑)。

シエル:Aメロの歌詞の「try to reach out but I can’t move/I’m like a broken instrument, so out of tune」のところも好きです! 皆さんも共感できると思いますが、シエルはすごく落ち込んでいる時に言いたいこと言えなかったり、体を思い通りに動かせなかったりすることが多いです! そういう時に自分の体が自分のではないような感じがしてさらにストレスになるのです。シエルはその時の自分の脆さと絶望感を思い出しながらこの部分を歌いました!

――曲を収録する際や歌う際に、3言語使えるからこその難しさなどはありますか?

リリア:ど、どっちでも楽チンでしたわ!d(^p^)(^q^)b

シエル:3言語の曲を普段1回か2回のセッションで全部録っていますので、1つの言語から次の言語までスイッチするのは難しいです……。シエルの発音は前歌った言語に影響されることが多いので舌が回らない時が結構多かったりします。

――昨年11月の1stライブ「夢を見て生きている」、今年の「VTuber Fes Japan 2022」など、立て続けにライブを経験されていますが、音楽活動をする上でのモチベーションや、これからの目標に変化などがあればお聞かせください。

リリア:全世界、全銀河、全宇宙に私たちの歌を届けたいです! あと私たちの2nd ワンマンライブを 絶対に実現したいとおもってます。 みんなと最高のライブをつくりたい です。

シエル:まだルーキーなのにこんなに素敵なライブに参加する機会をたくさん頂いた私たちは本当に恵まれていると思います。色んなイベントに出る度、周りの出演者にインスピレーションをもらいます! みんなのように輝いたいなあって思うからもっと頑張って練習できます。Tacitlyがここまで成長できたのは私たちのファン、Peachesのみんなといつもフルで頑張ってくれてるプロデューサーバニーPとスタッフのおかげです。こういう風に支えてもらえてるから、「もっと頑張りたい! もっと世界にTacitlyの声を聴かせたい!」と思えます!

――いつも応援してくれているファンと読者にメッセージをお願いします。

リリア:いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします!

シエル:いつも応援してくださっている皆さん、ありがとうございます!これからもよろしくお願いいたします。Tacitlyのことをまだ知らない皆さん、私たちはこれから世界を征服するから覚悟してなさい!

『VOICE』の作詞・作曲を手掛けたKIRAさんからのメッセージ


With 'VOICE' I tried to imagine what it would be like to lose your memory and forget who you were in the past, but at the same time look for acceptance as the "new" you, essentially starting over. I think there are a lot of strong emotions like frustration, sadness but also hope there, which I tried to convey through the music and lyrics. If I had to choose, my highlight of the song would have to be the bridge after the 2nd chorus! I think you can really feel all the emotions build up during that part and I think the melody is very pretty."

(日本語訳:『VOICE』では、記憶を失い、過去の自分を忘れると同時に「新しい自分」として受け入れられることを探し、本質的にやり直すとはどういうことなのかを想像してみました。そこには悔しさや悲しさ、そして希望といった強い感情があると思うのですが、それを音楽と歌詞で伝えようとしました。強いて言えば、2コーラス目以降のブリッジが聴きどころですね。あの部分は本当に全ての感情が積み重なっていくのが感じられると思いますし、メロディーもとてもきれいだと思います。")

■Tacitly 6th EP『VOICE』新曲情報

【配信】
2022年7月1日(金)リリース 
英語版・日本語版・中国語版 各音楽配信サイトで全世界配信
LinkFire: https://lnk.to/_tacitly_voice

【Mカード】
2022年7月1日(金)販売
音楽ダウンロードカード「Mカード」をBOOTHにて販売
LiliaとCielが答えるQ&A動画特典付き
BOOTH:https://algorhythm.booth.pm/items/3923370
 

Tacitly 2nd ワンマンライブ制作プロジェクト

■関連情報

Tacitly(生放送アニメ 直感xアルゴリズム♪)公式サイト
https://project-algorhythm.com/

YouTube
https://www.youtube.com/c/LiveAnimationHeartxAlgorhythm

Twitter
リリア:https://twitter.com/Lilia_Tacitly

シエル:https://twitter.com/Ciel_Tacitly

バニーP:https://twitter.com/algorhythm_jp

Discord
https://discord.gg/ZRF2RZ6xMB

LinkFire(各種楽曲配信情報)
https://bio.to/tacitly

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