にじさんじの4th Anniversary LIVEとして、2022年1月22、23日で開催予定だった“FANTASIA”が、にじさんじの祭典“にじフェス”にて無事開催されました。
今回は2022年10月1日に振替公演を行った“FANTASIA Day2”をレポート。
Day2に出演したライバーは卯月コウさん、加賀美ハヤトさん、叶さん、剣持刀也さん、三枝明那さん、シェリン・バーガンディさん、社築さん、夢追翔さん、の総勢8名。
シェリンさんの良いお声で前説が流れたと思いきや、いつもの音割れ爆音ボイスに変貌。
「あれ、この流れ前日でも見たな……」と首を傾げました。さすが、あの“素敵な先輩”と縁のあるシェリンさんです。きっとリスペクトしてのことでしょう。
Day1を見てなんとなく予想はしていたのですが、やはりにじさんじの楽曲『虹色のPuddle』からDay2は幕を開けました。男性ライバーに合うキーでラップパートもあり、Day2メンバーにピッタリの曲です。
会場ではそれぞれの“推しカラー”を点灯したペンライトが左右に振れ、ここから始まるライブに誰もが心を躍らせていました。
『虹色のPuddle』が終わり、自己紹介&衣装紹介パートへ。大々的な音楽ライブに初参戦の卯月さんとシェリンさんを中心に、それぞれが自己紹介と衣装のチャームポイントを紹介していきます。
Day1のメンバーは順番を守り、衣装の細部もじっくり見せてくれたのですが、Day2メンバーはほぼ全員が自由奔放。「これが男の子と女の子の差か」と思わずにはいられませんでした。文化祭ではしゃいでいるDay2メンバー、良いですね。
MCが終わり、トップバッターを務めたのは三枝さん!
ソロでOmoiさんの『テオ』を歌い上げました。イントロ部分で客席への煽りから入り、Aメロに突入すると一転、しっとりとした美声を放ちます。さすがの歌唱力で会場の空気をがっちりと掴みました。サビ終わりの声のノビに中毒性を感じます。
曲が終わると舞台袖からシェリンさんが歩み寄り、三枝さんに何かを渡します。そして曲が始まり、渡した物が見えたのですが、その正体は拡声器。“探偵と助手”コンビが歌ったのは、男性2人が女の子を助けるために協力するHoneyWorksさんの曲『ロデオ』です。お2人の声質が曲にピッタリで、拡声器による声がくぐもった演出も素晴らしく、まさに神選曲でした。
続いて登場したのは卯月さん、叶さん、シェリンさんの3人。すりぃさんの『テレキャスタービーボーイ』を歌い上げました。それぞれのペンライトカラーが黄色、水色、赤なので、光の三原色に染まった会場に圧倒されました。ポップな曲調とダンスがかわいかったです。特に3人の「1!2!3!4!」というカウントが良い。かと思えば急に美声で刺してくるので油断なりません。
そして卯月さんがひとり残り、ソロパートへ突入。Neruさんの『脱法ロック』を歌い上げました。
「本当にライブは初めてなんですか?」と聞きたくなるくらいパッション溢れるステージを見せてくれた卯月さん。ビブラートがとても美しい。これは紛うことなくライブ王です。
続いて“ダブルスリーブ”こと加賀美さんと社さんの2人が登場。この2人のライブを心待ちにしていた“オタクくん”も多いのではないでしょうか。大人である2人がNeruさんの『ロストワンの号哭』を歌うというメッセージ性の強さ、そして力強いライブパフォーマンス……圧という圧を前面に感じました。加賀美さんのシャウトと社さんの歌い方が相まって、ヴィジュアル系バンドのライブ会場に足を踏み入れたようでした。
そのまま加賀美さんと社さんのお2人でMCパートへ。ちょうど無料パートと有料パートの境目だったこともあり、押し潰そうと迫ってくる“有料”という名の見えない天井を持ち上げる2人。こういうやり取りを全力でやるのが非常に“らしい”なと思いつつ、有料パートへと切り替わるタイミングで加賀美さんが脱落。
ひとり残された社さんは、“CHiCO with HoneyWorks”さんの『ヒカリ証明論』を歌い上げました。
ボイストレーニングに通い、筋トレに励み、『プロジェクトセカイ カラフルステージ!』のイベントを走り、カードのパックを剥き、ひたむきに努力してきた社さんのステージが見られて感動しました。まさにオタクの鑑です。
『ヒカリ証明論』の余韻が残る中、元気に駆け寄ってきたのは再び加賀美さんと、有料の男・夢追さん。
アラサー組の3人で歌ったのは“SURFACE”さんの『それじゃあバイバイ』という曲です。TVドラマ『ショムニ』の主題歌である『それじゃあバイバイ』ですが、曲の途中でまさかの原作リスペクト脚立が登場。夢追さんに担がれ社さんを轢き倒し、加賀美さんに回収され出番を終えました。ありがとう脚立。
『それじゃあバイバイ』が終わり、夢追さんがオリジナル曲『おそろいの地獄だね』を熱唱。
本来なら振替前の公演で初お披露目のはずだったこの曲、イントロのギターからAメロが筆者は特に好きで、ラストもAメロで終わるのがオシャレだなと思っております。ステージングやパフォーマンスが素晴らしく、こだわりを感じました。
続いて卯月さんと加賀美さんが登場。この2人の組み合わせを見て思わず「まさか鍋ラップが!?」と勘ぐってしまったのですが、そんなことはなく“SUPER BEAVER”さんの『らしさ』を歌い上げました。
アニメ『ばらかもん』の主題歌に起用されたこの曲を、大人である加賀美さんと子どもの卯月さんが肩を並べ、時に向き合って歌うのは、非常に感じ入るものがありました。
そして第2の有料の男・剣持さんが悠々とステージ入り。ソロですりぃさんの『ジャンキーナイトタウンオーケストラ』を歌い上げました。堂々と舞台を練り歩きながら歌唱する姿は、さすがの貫禄があります。今までのパターンだと剣持さんは間奏中にはっちゃけたりエアギターをすることが多かったのですが、なんと今回はダンスを披露。心なしか会場のペンライトの揺れも激しくなった気がします。
曲が終わり、舞台袖から卯月さんとシェリンさんが合流。
剣持さんがお2人を「初めてだと思えますかこの子たちが。誇らしいよ!」と先輩らしい(?)コメントをし、「このメンツ、何か知っている方もいるんじゃないでしょうか」と匂わせコメントも置いていきます。
多くの人が予想した通り、“ゴールデンボンバー”さんの『女々しくて』が始まりました!
以前、このメンバーで見せてくれた『女々しくて』よりもさらにパワーアップしたパフォーマンスを披露。卯月さんのギターソロパートで、剣持さんとシェリンさんはポンポンを持ってチアダンスをしながら応援していました。瞬間風速最大、かなりの熱気が会場を包んだと思います。
続いてシェリンさんのソロパートが始まりました。
何の曲を歌うのか気になっていたのですが、バックモニターに「爆笑」の文字が浮かんだ瞬間に思わず膝を打ちました。syudouさんの『爆笑』はさすがに神選曲です。
イケボとがなりを巧みに使い分け、完全にこの曲を“モノ”にしていました。歌ってみた動画待っています。
そして叶さんがソロで登場。この“FANTASIA Day2”で初出しとなるオリジナル曲『Jam Jam』を披露してくれました。上と下の音域を華麗に行き来し、ダンスがキレッキレで、カメラもどこを抜かれるか把握してファンサをする、自分の魅せ方を完璧に分かっている人の動きでした。特に「Jam Jam」の手の振りには相当な技術が詰まっていると思われます。あの動きは常人にできません。
次に登場したのは社さんと夢追さんのお2人。Eveさんの『いのちの食べ方』を歌ってくれました。
Aメロの低音とサビの高音の高低差が激しい曲ですが、見事に歌い上げたお2人には脱帽です。特にサビ入りの高音が何度でも浴びたくなるキレイさ。のびのびと、楽しそうに歌うお2人が印象的でした。
社さんがはけ、入れ替わりで登場したのは剣持さん。夢追さんと2人でNeruさんの『東京テディベア』を歌い上げました。この2人はママが一緒という共通点があり、さらには今回のライブではどちらも有料の男。声の相性も良いのでシナジー大爆発です。ロックでダークな『東京テディベア』を見事に表現していました。
最後のMCタイムへ突入し、叶さんと三枝さんが登場。
夢追さんを労い、話題は叶さんと夢追さんがソロパートで歌ったオリジナル曲へと移りました。
夢追さんが手を振りながら退場すると、叶さんと三枝さんのデュエットが始まります。歌ったのはピノキオピーさんの『ねぇねぇねぇ。』。曲とダンスの振り付けがあまりにもかわいらしく、「あれ、今見ているのはDay1だっけ……」と自分のいる日付が分からなくなるほどでした。普段から仲の良い2人の相性は抜群で、2人の持つかわいさをこれでもかと詰め込んだ1曲になりました。
“FANTASIA Day2”もいよいよ終盤戦、ということで、ここでラスボス……ではなく、加賀美さんが登場。ソロで“Novelbright”さんの『ハミングバード』を歌い上げました。登場シーンのあまりの神々しさにボス戦だと勘違いしてしまいました、すみません。間奏で加賀美さんが「楽しいですね、歌うの!」とニッコニコで手を振り始めたときには、「にじさんじに出会えて良かった」としみじみ思いました。
加賀美さんのソロで半ば放心状態となった会場に再び熱気を取り戻させたのは、叶さん、剣持さん、三枝さんの3人。Eveさんの『お気に召すまま』をポップでリズミカルに歌い上げました。かなり自由に動き回ったり(主に剣持さんが)立ち止まったり(主に三枝さんが)していた3人ですが、歌声がこれでもかというくらい優しいので、そのギャップにやられました。
続いて登場したのは卯月さん、三枝さん、シェリンさん、社さんの4人。アニメ『ラブライブ!』に登場するアイドルユニット“μ's”の『Snow halation』を歌い上げました。雪に見立てた紙吹雪が会場を舞い、幻想的な雰囲気になる……かと思いきや、わちゃわちゃしておりました。(卯月さんは同期の社さんによって詠唱をキャンセルされてました。)男の子ですね。
次に残りの4人である加賀美さん、叶さん、剣持さん、夢追さんが登場。“UNISON SQUARE GARDEN”さんの『オリオンをなぞる』を歌い上げました。パッション×4の最強構成です。「いまライブを見ているんだ」と骨の髄まで実感できるパフォーマンスでした。ユニゾンがキレイ。
舞台が暗転すると、すぐさまアンコールを求める手拍子が会場に響き渡りました。
しばらくしてDay2メンバー全員が現れ、“にじフェス2022”のテーマソングである『Hurrah!!』を熱唱。原キーはもちろんのこと、オク上もオク下もバランス良く入っていて、ユニゾンが恐ろしいほど美しかったです。でもよく聞いてみるとそれぞれの歌声が判別できる部分が多く、奇跡的に集まった8人なのだなと実感しました。
加賀美さんの手拍子アンコールで会場がさらに温まった後、感想タイムへ突入。
まずは初参戦組からということで、シェリンさんは「初めての歌ライブ、汗をダラダラとかきながら、脳汁をドバドバと出しながら楽しませていただきました。最高です!」と叫び、卯月さんは「普段はこういう姿勢ではないけど、ライブを通じて少しでもみんなに気持ちを返していければなと思いました」と語りました。
続く夢追さんは「何度出てもこのライブの興奮は忘れられないし、何度でも出たいって思います。また機会があったらよろしくお願いします!」と語り、社さんは「みんなも楽しんだと思うけど、きっと俺が1番楽しんだ。これからもよろしく!」とファンサをくれました。
三枝さんは「半年間の延期があったからこそできたパフォーマンスもあると思う。今度はみんなの声も聞けるライブができたらいいな」と展望を語り、加賀美さんはアンコールの手拍子の熱量に驚きつつ、「我々も“FANTASIA”を待っていた! 本当にありがとうございました!」とシャウトで会場を沸かせました。
「延期されて悔しかった思いも、楽しみしてた気持ちも、積み重ねた努力も出し切れたライブだった」と語った叶さんは、専用のライバーカメラにファンサをしてラストの剣持さんへ繋ぎます。
剣持さんは「我々は配信者です。何かトラブルがあっても、理不尽な目にあってもリアルタイムでお届けするプロでございます。何かがあってもそれをドラマにして乗り越えることを今後も約束いたします」というさすがの一言で締め括りました。
そしてアンコール2曲目にして最後の曲はにじさんじの楽曲『Virtual to LIVE』!
“FANTASIA Day1”が『Virtual to LIVE』から始まり、“FANTASIA Day2”は『Virtual to LIVE』に終わるという何ともエモいセットリストです。アンコール1曲目の『Hurrah!!』もそうでしたが、本当に歌声のバランスが良い。最高です。
“FANTASIA Day2”が終了し、これで振替公演のプログラムは終了となります。両日共に、一生の思い出として残るような素晴らしいライブでした。
ライブ後の各ライバーさんの感想配信では裏話がたくさん聞けますので、ぜひ視聴してみてください。
■卯月コウさん
■加賀美ハヤトさん
■叶さん
■剣持刀也さん
■三枝明那さん
■シェリン・バーガンディさん
■社築さん
■夢追翔さん
セットリスト
01. 虹色のPuddle
02. テオ
03. ロデオ
04. テレキャスタービーボーイ
05. 脱法ロック
06. ロストワンの号哭
07. ヒカリ証明論
08. それじゃあバイバイ
09. おそろいの地獄だね
10. らしさ
11. ジャンキーナイトタウンオーケストラ
12. 女々しくて
13. 爆笑
14. Jam Jam
15. いのちの食べ方
16. 東京テディベア
17. ねぇねぇねぇ。
18. ハミングバード
19. お気に召すまま
20. Snow halation
21. オリオンをなぞる
22. Hurrah!!
23. Virtual to LIVE