インタビュー

2023.01.06

埼玉県バーチャル観光大使・春日部つくしさん×声優・新井里美さん、埼玉県出身である2人の対談が実現。バーチャルとリアル、双方の視点から見る埼玉の魅力とは?

埼玉県のバーチャル観光大使を務め、精力的に埼玉の魅力を発信し続けているVTuber春日部つくしさん。バーチャル観光大使1周年を迎えた彼女と、リアル埼玉県出身の声優・新井里美さんによる、埼玉の魅力を語る対談が実現しました!

新井さんも埼玉の魅力を発信している著名人のひとりであり、バーチャル観光大使を決めるオーディションの時も選考委員としてご活躍されていました。

そんなお二人、お互い会ってみたいと思っていたものの、意外にも初対面とのこと。それぞれが知る埼玉の魅力をすり合わせながら、バーチャル&リアル両面から埼玉の良さに迫っていきました!
 

――本日はお集まりいただきありがとうございます。早速ですが、お二人が考える埼玉の魅力を教えてください。

新井:“ちょうどいい”ところでしょうか。帰ってきて落ち着ける、安心感のある場所だと思います。昔は「埼玉出身です」なんて言うと、「あぁ、“ダサいたま”ね」なんてよく言われましたが、自分にとってはやっぱりホッと一息つける場所ですね。つくしちゃんはどうですか?

つくし:そうですわね。あーしも幼少期から埼玉で過ごしてきましたけれど、子ども時代を過ごすのに“ちょうどいい”場所だと思っておりますわ。平和ですし、遊びに行こうってなったら大宮や浦和があります。中高生になったらちょっと足を伸ばして東京へ遊びに行くことだって出来ますし、ライブを見に行くとなれば“さいたまスーパーアリーナ”がありますから。住むのにも、遊ぶのにも適した過ごしやすい場所だと思いますわ。何で、“ダサいたま”なんて言われていたんでしょう?

新井:最近はあまり言われなくなりましたね。先ほどつくしちゃんが仰ったように“さいたまスーパーアリーナ”があって、あとはサッカーの“埼玉スタジアム”もあって、県外から人が来る機会が増えたからかもしれません。

――皆さんが埼玉県のアピールをし続けてきた結果、というのもあるのでしょうか。

つくし:埼玉はこれからもどんどん魅力を増していく場所、ということですわね。

――つくしさんは“令和4年度埼玉バーチャル観光大使”ということで、観光大使をしていて、改めて気づいた埼玉の魅力などあればお伺いしたいです。

つくし:アニメや二次元コンテンツを積極的に取り入れている部分でしょうか。県の観光課が手を挙げて「VTuberで情報発信していこう!」なんてなかなかありませんから。“アニ玉祭”をはじめとして、二次元コンテンツに力を入れているオタクに優しい、“あーし得”な県だと感じておりますわ。

新井:確かに、アニメなどに力を入れているイメージはありますね。私は埼玉の観光大使を選ぶ選考委員として、つくしちゃんを含む何人かのPR動画を拝見したのですが、「埼玉、いっぱい見るところあるじゃん」と気づかされました。つくしちゃんがPR動画内で紹介していた“首都圏外郭放水路”とか、『のぼうの城』のモデルの“忍城”とか、知らなかったです。

つくし:そうですわ。たくさん見るところはありますのに、周知しきれていないんですわよね。

――埼玉県は広いですから、人によって見る角度が違うのかもしれませんね。

つくし:ウニみたいに、チクチクチクって色んな魅力が飛び出している場所だと思いますわ。

――PR動画のお話が出ましたので、つくしさんには埼玉バーチャル観光大使のオーディションを受けた感想を、新井さんには選考委員としての感想をお伺いしてもよろしいでしょうか。

つくし:“オーディション”というものを受けた、という、人生において初めての経験でしたわ。ファンの皆さまはもちろん、両親も応援してくれました。「埼玉の魅力を発信していきたい」というあーしの思いに、力添えしてくれる方がたくさんいるんだと実感しましたわ。結果だけでなく、その過程も自信に繋がりましたわね。

新井:つくしちゃんの動画を見て、「彼女に任せれば安心だな」という雰囲気は最初からありました。VTuberとしての活動もしっかりされているし、人気もあるし、以前から埼玉県のPRに力を入れていらっしゃったので。特に“十万石まんじゅう”とのコラボには驚きました。あと、つくしちゃんの髪型がツインテールということもあって、親近感を覚えています。

つくし:嬉しい! 髪の毛ももっとピンク色にしたくなってきましたわ!

新井:ひと目見たときから親近感がありましたよ!選考委員会では、「彼女に任せれば間違いない」といった感じでつくしちゃんに決まりましたね。

――新井さんは埼玉バーチャル観光大使の選考委員を担当されましたが、VTuberという存在はご存知でしたか?

新井:選考委員をやらせていただくことになって、改めてきちんと拝見しました。つくしちゃんのPR動画はもちろん、“歌ってみた”動画とかも……VTuberってすごいんですね。

つくし:そうですわね! VTuberって楽しいです。

新井:我々はすでに出来上がっているキャラクター、アニメーションに声を当てていくというお仕事なんですが、VTuberとは似ているようで、全く違う世界なんだなと実感しました。

――もし自分をVTuber化するとしたら、新井さんはどんなVTuberになってみたいですか?

新井:人間じゃないものがいいですね。例えば、つくしちゃんの周りをふよふよしているマスコットキャラクター的な。つくしちゃんをご主人様としてお仕えするキャラクターとか良いですね。

つくし:モチーフにしたい動物はありますか?

新井:何だろう……どういうのが良いと思います?

つくし:いまパッと思い浮かんだのはアザラシですけれど……埼玉県の動物、と言えば“シラコバト”でしょうか。

新井:シラコバト! 良いですね。それでいきましょう。

つくし:あーし絵が描けるので、新井さんがVTuberをやりたくなったら“ママ”(VTuberのキャラクターデザインをする人の通称)になりますわ。いつでも言ってくださいね。

――つくしさんは動画の企画などご自分でやられていますが、もし新井さんがつくしさんをプロデュースするとしたら、どんな動画を作ってほしいですか?

新井:埼玉県って野菜とか果物とか、色々と特産品があるので、つくしちゃんにフルーツ狩りに行ってみてほしいですね。イチゴ狩りとか梨狩りとか、ブルーベリー狩りとか。

つくし:イチゴ食べたいですわ!そのときは頭上のシラコバトさんにも食べてもらえるようにたくさん狩りたいですわね。

――埼玉県発の全国的に有名なもので、コレが一押し!というものがあれば教えてください。

つくし:あーしがおすすめしたいのは“北本トマトカレー”ですわ。

新井:知ってます! レトルトでも販売されてますよね。

つくし:そうなんですわよ! あーしはカレーだとトマト系が好きで、自分で作るときもトマト缶を入れますの。北本トマトカレーは本当に美味しくて、トマトの酸味がきいてるからサッパリしていて重くないんですわ。でもちゃんとカレーのスパイスを感じられて、甘みもある、本当に美味しいカレーですわね。

新井:北本に行けば、北本トマトカレーが食べられるお店はあるんでしょうか。

つくし:そうですわね、何軒かありますわ。全国のカレーフェスティバルに何度も出店していますので、遠方の方はそういった機会か、レトルトのものを食べてみてほしいですわ。

新井:私はCOEDOビールをおすすめします。“COEDOビールフェスティバル”にも行ったことがあるくらい好きなんですが、最近は有名になってきて、お店で生ビールが飲めるところも増えてきた印象です。

――ありがとうございます。それでは逆に、個人的なローカルなグルメや、おすすめスポットがあればお聞きしたいです。

新井:またお酒の話で恐縮なんですが……伊奈町の巨峰ワインと梨ワインがおすすめです。伊奈町で収穫した巨峰や梨を原材料に使ったワインで、毎年12月頃に発売しています。私は一昨年初めて飲んだのですが、とっても美味しかったのでまた購入しました。伊奈町のお店か、一部のアンテナショップでしか買えないので、本当は言いたくないんですが……。

つくし:あーしもあまり言いたくないんですけれど、富士見市にある “ジンギスカンなかむら”がおすすめですわ。住宅街にある地元民向けのお店なんですけれども、ジビエ肉好きのあーしが今まで食べたジンギスカンの中でも、そのお店のジンギスカンが1番美味しいと思っておりますの。小さなお店なので、あまり有名になってしまうと困る部分はありますが、ぜひ食べてみてほしいですわね。

新井:それはぜひ食べてみたい! 近いうちに行こうかしら。

つくし:ぜひぜひ。みずほ台の駅からちょっと歩くようなのですけれど、おすすめしますわ。

新井:身内の宣伝で申し訳ないのですが、弟のやっているお店を紹介してもよろしいでしょうか。志木市にある“肉居酒屋 HAL”というお店なんですけれども。低温調理をしたお肉がメインのバルです。もし良かったら行ってみてください!

――埼玉県の魅力をお聞きしてきましたが、ここで「埼玉にはこれが足りない」といったものがあれば教えていただけますでしょうか。

新井:海があれば良いなと思いつつ、最近は秩父連山があるからいいかな、と思っております。冬の晴れた日なんかはすごく景色も良いので、はい、海は諦めました。

つくし:特にこれが足りない、といったものはないですわよね。

新井:もしなくても、電車でちょっと行けば大体はあるので。強いて言えば、大きい公園とかでしょうか。

つくし:レジャー施設ですと、水族館あたりは弱いかもしれませんわね。唯一の水族館が淡水魚専門の“さいたま水族館”なんですけれども。ただここは、埼玉県の県魚である“ムサシトミヨ”の繁殖に唯一成功している水族館、という実績もありますわ。

新井:デートや映えスポットとしての水族館なら“サンシャイン水族館”に行けば良いですしね。

つくし:そういうことですわ。つまり埼玉に足りないものなどないのです!

――つくしさんは “バーチャル埼玉”にお住まいですよね。新井さんはリアル埼玉のことはよくご存知だと思いますが、もし“バーチャル埼玉”を訪れるとしたら、どんな場所に行きたいですか?

新井:そうですね、大宮の氷川神社バーチャルバージョンに行ってみたいです。バーチャルなら、お参りに行きたいときにすぐ行けそうですから。

つくし:人が多く集まる場所に、お家からバーチャル世界を経由してアクセスできれば素敵なことですわよね。年越しや初詣など、そういったイベントもバーチャル上で開催できたらいいのに、とは思いますわ。

――埼玉が舞台の作品と言えば『翔んで埼玉』が有名ですが、こちらの作品を知ったとき、そして実際に見たときの印象を教えていただきたいです。

新井:私は映画館で映像作品の方を見たのですが、「埼玉、ディスられてるなぁ」と(笑)。 “あるある”が多くて共感しましたし、埼玉の再現度がすごく高いなと思いました。映画が終わった後の、会場の一体感と言ったら……席もほぼ満席でしたしね。“MOVIXさいたま”で見たからでしょうね。池袋で見ていたらああはならなかったと思います。埼玉県民で良かったと、心からそう思いました。

つくし:『翔んで埼玉』すごく良い作品ですわよね。埼玉をよく知らない人への入門書としておすすめしても良いくらいですわ。埼玉県民であれば基本的に高評価なのではないでしょうか。他県民からの評価が気になるところですけれど。

新井:なんだかんだ、群馬県も相当ディスられていましたよね?

つくし:そうですわね。そのあたりのヘイト分散が上手いのもさすがと言えますわ。映画第2弾の撮影が再開されて、この間エキストラの募集もされていたんですけれど、周りから「応募しなよ!」と言われまして……でもあーし、バーチャル埼玉に住んでおりますので行けないんですわよね。悔しいです。

――街中のデジタルサイネージなど、デジタルな手段でなら出演できる可能性もあるのではないでしょうか?

つくし:確かに……制作陣の皆さま、オファーお待ちしておりますわ。

――埼玉観光をするのにおすすめのモデルコースがあればお伺いしたいです。

つくし:あーしがおすすめしたいのは長瀞観光ですわ。まず川下りをしていただいて、出口が商店街に繋がっておりますので、そちらの鮎ご飯が食べられるお店でぜひ昼食をとっていただきたいですわね。その後は商店街でお土産など見繕いつつ、商店街を抜けて“阿左美冷蔵”のかき氷を楽しんでほしいですわ。お時間があるようなら博物館などに寄るのもおすすめですわよ。

新井:私は秩父ですかね。“小松沢レジャー農園”という観光農園がありまして、イチゴ狩りやブドウ狩りが出来るんですよ。他にも川で魚の掴み取りや蕎麦打ち体験など、色々なことが出来ます。その後は芝桜が有名な“羊山公園”も見てもらって。宿泊するのであれば、温泉宿がたくさんあるのでそちらでも良いですし、あとはキャンプ場もおすすめです。グランピングできる場所もあるので、お好きな場所で泊まっていただくのが良いかと。それで翌日は秩父市内を観光していただく、というプランです。秩父とは別にもうひとつおすすめしたいのが、東所沢にある“ところざわサクラタウン”です。近年、“角川武蔵野ミュージアム”という、新たなアニメの聖地みたいな場所が出来ましたので。イベントや展示も頻繁に行っておりますし、アニメ関連でコラボしているカラオケやホテルも併設されておりますので、アニメの世界にどっぷり浸かるには最高の場所ですね。

――お二人の2022年であった印象的な出来事と、来年の抱負をお聞かせください。

新井:去年は初めて海釣りに行って、アジを釣ってきました。自分で釣った魚を自分で捌いて食べたのが、1番の思い出ですね。

つくし:良いですわね!あーし、いま釣りにすごく興味がありまして、最終的にはキス釣りに挑戦したいなと思っておりますわ! キス釣りは上手くいけば一度に6匹くらい引っかかるらしくて、その光景が見てみたいですわね。これは今年の抱負ということにしておきますわ。去年の思い出ですと……バンジージャンプを初めて飛んだことでしょうか。

新井:すごい!どこで飛んだんですか?

つくし:“秩父ジオグラビティパーク”ですわ。わりと最近出来た施設ですわね。バンジージャンプを経験すると人生観変わるとか言われますけれど、そこまで言わずとも、自分はここで踏み出せる勇気があるんだと自信に繋がりましたわ。

新井:私はそれを今年の目標にします。バンジージャンプをする!あとタチウオを釣ることと、庭にニンニクを植えることですかね。

つくし:あーしも、ひとつ追加で。今年は規則正しい生活を心がけたいと思っていますわ。朝、白湯を飲むことをルーティンにしたいですわね。

――ありがとうございます。対談を終えての感想を、それぞれお伺いしてもよろしいでしょうか。

新井:PR動画を見たときから、つくしちゃんとは一度お話してみたいなと思っていて。今回の対談をすごく楽しみにしておりました。実際にお話することができて嬉しかったです。今後もツインテール仲間として仲良くしていただければ幸いです。つくしちゃんのペットの“シラコバト”になるのも夢見ておりますので、よろしくお願い致します。

つくし:新井さんとお話できるという貴重な機会をありがとうございます。埼玉の話でこんなに人と盛り上がれるとは、と感動しておりますわ。これからも埼玉の観光情報と魅力を発信していきたいと思います! いつか頭上に“シラコバト”が現れる日が来れば、皆さまにも喜んでいただけるのかなと思いますので、ツインテールをさらに育てつつ、またご一緒できる機会を夢見て精進して参りますわ。


■春日部つくし

2018年からYouTubeにて活動を始めた個人勢VTuber。


バーチャル埼玉県民であり、日々埼玉の魅力を発信中。
現在は埼玉県庁公式・埼玉バーチャル観光大使を務めている。
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埼玉バーチャル観光大使の情報は下記から発信中!
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埼玉バーチャル観光大使特設サイト

■新井里美

声優。1980年、埼玉県出身。
代表作は『とある科学の超電磁砲』の白井黒子役や、『Re:ゼロから始める異世界生活』のベアトリス役など。
埼玉バーチャル観光大使を決定する選考委員を務めた。
公式HP
 

[取材:二城利月、文:ありみち]

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